春風爽快 キセキの春 22

真っ青な大空。紺碧の空に向かって、開会式を告げるファンファーレが鳴り響いた。
第81回選抜高校野球大会。
阪神甲子園球場。
先導は、大阪府警察音楽隊、フレッシュウイングス。小旗を振って入場。続いて、近畿6府県警察音楽隊が、今大会の入場行進曲『キセキ』を、演奏して入場。
この『キセキ』は、2008年、高校野球を題材とした、TBS系テレビ『ROOKIES』の主題歌である。多くの若者が共感して、人々に希望を与えられる歌として、選ばれたのだった。
前年、優勝の沖縄尚学。準優勝の、聖望学園に、続いて出場32校が、南から順に入場。倉敷工は、9番目に入場。
「倉敷工業高校。岡山。34年ぶり10回目。」と、場内放送。
すると、3塁側倉工大応援団から、大きな拍手が送られた。そして「がんばれよ」「たのむぞ」の、声があちらこちらから上がった。
一方、NHKテレビでは、「県大会4位ながら、中国大会で優勝。センバツ出場を、果たしました。開幕試合に登場します。実は、前回34年前の開幕試合で勝っています。」そして、女性アナウンサーが「3塁側は、もう一杯になっています。」と紹介。
プラカードは、出場校の生徒が持っている。倉敷工のプラカード【倉敷工】は、倉工野球部西野雄貴。中山監督が「プラカードは、おまえら選手同士で話し合って決めろ。」と、指示して西野に決まったという。西野は、大会本部から支給された純白の野球帽に、倉工学生服姿。帽子には(81)のマークが見える。
西野のプラカードは、一寸のブレもなく倉工ナインを誘導し、堂々の入場行進で大役を果たす。
全チームが揃ったところで、大会会長らが挨拶。そして、今治西の高市主将が、選手宣誓。西宮市高等学校吹奏楽連盟が『大会歌今ありて』を演奏して、神戸山手女子高校が『今ありて』を合唱。
「ああ甲子園草の芽萌え立ち駆け巡る風は青春の息吹か」選手、大観衆は、どんな思いで見守ったのだろうか。
倉工は、センバツ出場を記念して、エンジ色のジャンパーを作成。
左胸に【倉工】背中には【燃えろ倉工】。そして【倉敷工業高等学校】。
ほぼ、エンジ色一色で埋まった倉工応援スタンド。
さらに、緑色赤色のメガホンが映える。
【燃やせ闘魂倉工球児】【必勝岡山県立倉敷工業高等学校】の横断幕が、倉工ナインの背中を押す。 

つづく
随時掲載 

お願い
本文に迫力を持たせるため、敬称は略させて頂きます事をご了承下さい。 

参考
山陽新聞
毎日新聞
(当時の、新聞記事を参考にして、一部を引用しています。) 

協力
小山 稔氏「元倉敷工業高校野球部コーチ」
神土秀樹氏「元倉敷工業高校野球部コーチ
和泉利典氏「元倉敷工業高校野球部監督」
中山隆幸氏「前倉敷工業高校野球部部長監督」