熱闘甲子園 今昔物語 52 栄光の足跡 40

第85回全国高校野球選手権大会(平成15年夏)

【概要】
2003
年8月7日~8月23日出場49チーム
1回戦駒大苫小牧8-0倉敷工(ノーゲーム)
倉敷工5―2駒大苫小牧
2回戦倉敷工4―3今治西
3回戦光星学院2―0倉敷工
対駒大苫小牧戦の仕切り直し。社会人野球JFE西日本で活躍するエース陶山大介が、鋭いスライダーで強力打線に立ち向かい、被安打6、奪三振9の好投。前日と別人のような出来に「立ち直りがすごい。」とあるチームの野球部部長が語った。

 【ヒーロー登場】
石本勝志(太鼓を叩き続けた応援団長)
「レッツゴー陶山」一際大きな声が、音頭をとった。
体ごとぶつかりそうな勢いで叩かれる太鼓。地面が揺れた。
スタンドが、一つになった。ノーゲームの試合。「応援じゃあ完全に負けてる。」大雨で、ブラスバンドも、太鼓もなかった。ずぶぬれになりながら、声をからした。
序盤からの劣勢に、座り込んだ。「絶対に逆転します。」
そう言いながらも、涙が止まらなかった。
再試合で、マメができても、平気な様に、手袋をつけ時々、バチを持つ手を変えた。

「気合で」太鼓を叩き続けた石本。
ようやく見えた、晴れ間の下で、帽子を脱いで汗をぬぐった石本だった。
がんばれ倉工
レッツゴー石本

古米竜士(伝統団旗で鼓舞した男)
台風の影響で、強い風の中、応援団の(当時の)2年生古米。アルプススタンドの最上段で、伝統の団旗を持ちナインを鼓舞した古米。岡山大会から、団旗の担当の古米。
ダンベルで鍛えた両腕で風をまともに受ける団旗をしっかり支えた。「今までで、一番重いです。」と、何度もよろけそうになったが、最上段に設置されている、看板に体を押し付けて、持ちこたえた。
ノーゲームになった試合は、高速道路の停滞で、駆けつける事が、出来なかったが、「甲子園で応援する夢がかなって、嬉しいです。」と、満足そうに話した古米だった。

がんばれ倉工
進め。夢から感動へ古米

つづく
随時掲載

お願い
本文に迫力を持たせるため、敬称は略させて頂きます事を
ご了承下さい。

参考
朝日新聞「バーチャル高校野球」

山陽新聞「灼熱の記憶」
(注)現在、「灼熱の記憶」は、ありません。
瀬戸内海放送「夢フィールド」
(注)現在、「夢フィールド」の放送は、ありません。

協力
和泉利典(元、倉敷工業高校野球部監督)
中山隆幸(元、倉敷工業高校野球部部長監督)
岡山県立倉敷工業高等学校硬式野球部OB会
岡山県立倉敷工業高等学校おいまつ会