熱闘甲子園 今昔物語 78 栄光の足跡 66 (春切符 2)

第94回選抜高校野球大会
【大会期間】
2022年3月18日~3月30日

【春切符2】
『13年ぶりの春』
待望の瞬間が、ついに訪れた。1月28日夕方。
13年ぶりの選抜出場の知らせが届いた倉敷工では、ナインが帽子を高々と投げ、喜びを表した。
1941年創部の古豪倉敷工。春夏合わせて甲子園で、岡山県勢最多の25勝を誇る。
「歴代の先輩全員の思いを背負って戦い『攻めて攻めて攻めたぎる』プレーを甲子園でも貫く。」主将の福島貫太は、引き締まった表情で、抱負を語った。
『攻めて攻めて攻めたぎる』
新チーム移行後、バットを握る時間は格段に増えた。福島や日向ら中学時代に硬式のクラブチームなどで、中軸を担った打者が揃う現2年生。打撃メインの練習にかじを切ったのは当然だろう。
「入学時から、振る力は光っていた。」と高田康隆監督は、認める最大の武器を磨いた。
マシンを相手に、重い木製バットで速球を打つ早朝の自主練。放課後は、軽くて細いノックバットを振って、早いスイングを体に沁み込ませ竹製バットでサンドバックを叩く事で、ボールを押し込む感覚を養った。中軸の若林晴斗は、「持ち味のパンチ力や長打力が、ワンランクアップした。」と実感。
「攻めて攻めて攻めたぎる」
チームカラーのスローガンが生まれたきっかけは、昨年夏の敗戦にあると思える。
Aシードで臨んだ岡山大会で、春と前年秋の県大会で勝利した城東に不覚を取った。受け身に回り、足をすくわれる典型的なパターンだった。走塁にしろ攻撃にしろ、消極的なプレーが目立ち、なりふり構わず向かって来る相手に屈した。
先輩の無念を胸に秘め、新チームは始動した。

13年ぶりの選抜が決まり喜びを爆発させる、倉敷工ナイン。

つづく
随時掲載

お願い
本文に迫力を持たせるため、敬称は略させて頂きます事をご了承下さい。

参考
毎日新聞
朝日新聞「バーチャル高校野球」
山陽新聞「灼熱の記憶」
(注)現在、「灼熱の記憶」は、ありません。
瀬戸内海放送「夢フィールド」
(注)現在、「夢フィールド」の放送は、ありません。

協力
和泉利典(元、倉敷工業高校野球部監督)
中山隆幸(元、倉敷工業高校野球部部長監督)
岡山県立倉敷工業高等学校硬式野球部OB会
岡山県立倉敷工業高等学校おいまつ会