「相手よりも、まず、自分の弱さに勝つ事が全て。」
「自分に勝つ」と言うのは、倉工の選手が揃って口にする言葉である。倉工野球部が、取り組む「心作り」と呼ばれるメンタルトレーニングがある。
監督和泉利典は、2度目の監督就任の89年以後、強豪として注目される中、甲子園への切符をあと一歩のところで手にできずにいた。
「どうしたら勝てるか」当時同じ教員住宅に住み、不登校の生徒のカウンセリングを実践していた教員に相談したところ、『メンタルトレーニング』を紹介された。理想のプレーやうまく行っている時の様子などを想像する事で、良いイメージを持って本番に臨めるようになるという。
深呼吸で、呼吸に集中して、雑念を払った状態で「打てる」「勝てる」といった言葉をつぶやき、自己暗示をかける。また、「誰でもできる事を、誰でもできないくらいにやれ。」と言うのが、和泉の口癖でもある。
「技術を動かすのは心。いくら素晴らしい能力があっても心が強くなくては、勝てない。」と和泉。
さらに、和泉は「以前は、選手たちに『できないからやれ』とゲキを飛ばしていたのが、今では『できるからやれ』と言う様になったと話す。選手たち倉工ナインは、勝利に対する強い心で、古豪復活を目指す。
つづく
随時掲載
お願い
本文に迫力を持たせるため、敬称は略させて頂きます事をご了承下さい。
参考
山陽新聞
毎日新聞
(当時の、新聞記事を参考にして、一部を引用しています)
協力
小山 稔氏「元倉敷工業高校野球部コーチ」
神土秀樹氏「元倉敷工業高校野球部コーチ」
和泉利典氏「元倉敷工業高校野球部監督」
中山隆幸氏「前倉敷工業高校野球部部長監督」