大願成就 己に勝つ野球 9

第85回全国高校野球選手権岡山大会
倉敷工の初戦、対古城池戦を前にしてウオーミングアップをしていた倉工ナイン。エース陶山大介は、遠投で準備をしていた。
その時陶山は、突然のギックリ腰になってしまったのだった。
入学時から脚光を浴びた陶山。倉工球史に輝く久々の本格右腕。
夏の甲子園までは茨の道が続く。故障に泣かされ続ける日々。
しかし、倉工ナインは一層の団結力を示した。
「陶山が、帰って来るまでは、絶対に負けられんぞ。頑張るしかないぞ。」主将須田洋光が呼びかけた。

二回戦
倉敷工 521 031 1
古城池 000 000
5回コールド

集中打と小技。12安打11得点で圧勝。
一回、5本の安打に四死球。犠打を絡ませて、一挙5点を先制。
3投手で、無安打に抑える。

三回戦
倉敷工 000 001 010 2
大安寺 000 000 000 0

エース陶山を温存。清水、赤木の両投手の好投と安定した守備力が光る。
これで、ベスト8進出が決定。ここで、倉工野球部は試合に集中するため、選手全員を市内のホテルに宿泊させたのだった。
これは、外部からの連絡や激励、あるいは声などを一切遮断するため。過去、家庭内の問題が気になり一睡もできずに試合に臨んだ選手さえもいた。こうした事を防ぐため、全員をホテルに宿泊させて隔離し、集中して試合に臨んだのである。
準々決勝の相手は、難敵岡山南。
「最大の、ヤマ場です。」と和泉監督。エース陶山の復調が熱望されていた。

つづく
随時掲載

お願い
本文に迫力を持たせるため、敬称は略させて頂きます事をご了承下さい。

参考
山陽新聞
毎日新聞
(当時の、新聞記事を参考にして、一部を引用しています)

協力
小山 稔氏「元倉敷工業高校野球部コーチ」
神土秀樹氏「元倉敷工業高校野球部コーチ」
和泉利典氏「元倉敷工業高校野球部監督」
中山隆幸氏「前倉敷工業高校野球部部長監督」