第85回全国高校野球選手権大会2003年(平成15年)8月15日
阪神甲子園球場
倉 敷 工012 101 000 5
駒大苫小牧002 000 000 2
ノーゲームだった前日、抑え込まれた倉敷工が、駒大苫小牧エース白石投手を攻略。二回、西野の中前打で1点を先制。三回にも、須田の二塁打と敵出で2点。その後も、大森のスクイズで萩原がホームを踏み加点。エース陶山は、2失点と力投。駒大苫小牧は、三回に桑原の中前打で1点に迫ったが、好機で適時打を欠いた。
卒業後、社会人野球JFE西日本で活躍する事になるエース陶山大介が鋭い高速スライダーで強力打線に立ち向かい被安打6、奪三振9の好投。前日と別人のような出来に「立ち直りがすごい」との声が上がった。倉敷工は、2回戦(今治西)も突破し、35年ぶりの8強まであと1勝に迫る躍進。
(当HP大願成就で今治西戦も紹介予定です。)
2006年も決勝に進出するなど、全盛期を築いた駒大苫小牧にとって語り草となるゲームとなった。
『倉敷工投打にはつらつ』『スタンド興奮の渦』と新聞に出た。「あと一人、あと一人。」3点リードの九回裏倉工3塁側アルプススタンドでは、スクールカラーの緑色のチューリップハットをかぶり、燃えるような真っ赤なTシャツを身に着けた約2200人の大応援団から、赤と青のメガホンを打ち鳴らし、マウンドの陶山を後押しするように大声援が沸き起こった。最後の打者の打球を遊撃手渡部和博がしっかりとグラブに収め、須田洋光が一塁ベースを踏んだ瞬間、倉工ナインの勝利を祝福するかのように雨のばらつく曇り空から太陽の光が差し込んだのだった。スタンドの大応援団は、肩を組み合いあい、校歌が高らかに響き渡った。
つづく
随時掲載
お願い
本文に迫力を持たせるため、敬称は略させて頂きます事をご了承下さい。
参考
山陽新聞
毎日新聞
(当時の新聞記事を参考にして、一部を引用しています。)
協力
小山 稔氏「元倉敷工業高校野球部コーチ」
神土秀樹氏「元倉敷工業高校野球部コーチ」
和泉利典氏「元倉敷工業高校野球部監督」
中山隆幸氏「前倉敷工業高校野球部部長監督」