熱闘甲子園 今昔物語 61 栄光の足跡 49

第81回選抜高校野球大会

【概要】
2009年3月21日~4月2日(平成21年)
入場曲「キセキ」
開幕試合 倉敷工11―10金光大阪
二回戦 中京大中京6―5倉敷工

【おわりに】
選抜は、ベスト8に進めず、残念ながら快進撃とは言えなかった倉敷工。全国の強豪校に、1回戦は延長12回、劇的なサヨナラ勝ち。2回戦は、前半の大量失点を激しく追撃したが、わずか1点及ばず惜敗。中山隆幸監督率いる倉工の選抜は、1勝1敗に終わった。

試合運びは洗練されたものではなかったが、決して勝負を捨てない。諦めない。秋の中国大会から続くゲームの進化を物語るものだった。
ドキドキ、ハラハラ。握り拳が何度も硬くなった。
「倉工がんばれ。まだ、チャンスは残っている。」

かくも、スリルと感動に満ちた劇的な試合があったのか。
私は、長く記憶の底に置き忘れていた。「もう、ダメか。」と実は何度も諦めかけていた。過去の栄光に満ちた「強打の倉工」は、「諦めない倉工」の名で見事いま伝統の復活を遂げた。前向きな気持ちを持ち続け、どんなピンチにも諦めず進む事が、予想もしない劇的な結末を生むものだと、改めて知らされた。

倉工は、晴れの舞台、選抜でその事を証明して見せた。
(平成21年3月23日付。岡山日日新聞)
(時空エッセー、風に吹かれて)の中から、その一部を引用しました。

『倉敷工。井上のバントが勝因』
開幕戦を制した倉敷工に、諦めない事に加え、素晴らしい粘りを見せてもらった。取られても取り返す勝利への執念に、絶賛の拍手を送ります。
逆転サヨナラ勝ちへの隠れたヒーローは、2番の井上君です。1点を追う延長12回一死一塁に、一塁線へのプッシュバントが鮮やかに決まり、一塁内野安打になりました。

相手守備陣の位置を確認して、さらに、打球の強弱を即座に判断する事が必要な勇気がいるバントです。
井上君の(快打)が、チャンスを広げ、歓喜の勝利へ導きました。

(中略)

先手先手を取った金光大阪に食らいつき、初戦を飾った倉敷工。その精神的な自信と誇りを痛感させられた試合です。
(元、簑島高校野球部監督)
(2009年3月22日付。デイリースポーツ)
(尾藤公の、わが麗しの甲子園の中から、その一部を引用しました。)

「諦めなければ、夢はかなう。」怪我から復帰して、懸命のプレーを見せる、岡田左翼手。

「劇的勝利信じていた」劇的なサヨナラ勝ちに沸く三塁側倉工応援団。

「気持ちは負けず戦えた」甲子園で、成長の跡を刻んだ山形右翼手。

つづく
随時掲載

お願い
本文に迫力を持たせるため、敬称は略させて頂きます事をご了承下さい。

参考
朝日新聞「バーチャル高校野球」
山陽新聞「灼熱の記憶」
(注)現在、「灼熱の記憶」は、ありません。
瀬戸内海放送「夢フィールド」
(注)現在、「夢フィールド」の放送は、ありません。

協力
和泉利典(元、倉敷工業高校野球部監督)
中山隆幸(元、倉敷工業高校野球部部長監督)
岡山県立倉敷工業高等学校硬式野球部OB会
岡山県立倉敷工業高等学校おいまつ会