捲土重来 平成8年の夏 13

第78回全国高校野球選手権大会 岡山大会準決勝 倉敷工 VS 関西 前年と同じカードになった岡山大会準決勝。前年は、全国的に有名になった エース左腕吉年投手 を持つ 関西。その 関西 に対して一回に3点、二回に2点、三回に1点を取り、早々と 吉年投手を攻略したかに見えた。だが、徐々に調子を取り戻して来る 吉年投手。また、中軸打者に連続長打を打たれ、終わって見たら 6対7 の逆転負けを喫した 倉敷工。「 あの試合の悔しさは、いつまでも忘れられません。 」と、 現 倉敷工野球部コーチの 西川剛正。 倉敷工 が勝利したのは、エースの力投と、繋がる打線 集中打だった。
   関 西   100 000 000  1
   倉敷工  000 050 010  6
一回にタイムリーを打たれ、1点を献上した 倉敷工。しかし、二回以後安定した投球を見せる エース中原俊博。投手力に不安を抱える 関西。その関西投手に、五回 倉工打線 が襲いかかった。 4番福原 が左中間にタイムリー3ベースヒットで、2点を勝ち越す。 6番高本 も右中間に、タイムリー3ベースを打つ。長短6本のヒットで、5点を取る。エース中原は、初回の1点だけに押さえ 6対1 で勝利を飾った。この時、主将の 北條剛 は「 初回に1点取られたんですが、いつでも追いつける。今日は、たたみかける連打が、出たので良かったです。 」と、コメントした。一方、 西川 は「 2年連続の準決勝 関西 戦は先輩の分まで、絶対に負けるわけには、行かなかったです。 」そこには、真っ赤に燃え上がる 炎の闘志 と 力強い 団結力 がある。投手はいい。守りもしっかりしている。攻撃も全員が、3割を超える。1、2番の 北條 西川 の俊足コンビが出ると、すぐに足でかき回す。この、1、2番コンビが、相手チームにとって、いやな存在となっている。そして、クリーンアップで点を取る。また、下位打者には勝負強い打者がずらりと並ぶ。こういうチームは、なかなか作れるものでは、なかろう。平成8年の夏は、熱い。

   つづく  随時掲載

お願い  本文に迫力を持たせたく、敬称は略させて頂きます事をご了承下さい
参 考  山陽新聞社 「 灼熱の記憶 」
協 力  和泉 利典氏 「 元 倉敷工業高校野球部監督 」 
      中山 隆幸氏 「 前 倉敷工業高校野球部部長 監督 」
      西川 剛正氏 「 現 倉敷工業高校野球部 コーチ 」