捲土重来 平成8年の夏 18

第78回全国高校野球選手権大会 岡山大会

決勝  倉敷工 VS 岡山城東

炎の闘志で、この年の選抜甲子園4強、中国地区王者の岡山城東に挑む 倉敷工。
しかし、四回が終わって 3対1 と岡山城東がリード。
そして、五回ついに 倉敷工 が逆転する。
その逆転の原動力は、畳みかける攻撃、繋がる打線だった。

倉敷工 100 03
城 東  011 1

五回表、 倉敷工 の攻撃前ナインをベンチ前に座らせて、 和泉監督がアドバイス。
この回の先頭打者は、8番渡辺。 渡辺の打球は、3塁ベース付近へ。三塁手良く好捕したが、一塁へ高い悪送球。
その間に渡辺 は、2塁へ。無死2塁。
次の打者は、 玉島商戦 でサヨナラを打った 9番エース中原。中原は、打席に入ると 送りバント の構え。
大きくリードしていた 渡辺。捕手が2塁へ牽制した。
すると 渡辺 は3塁へ。無死3塁。
中原 は、投手ゴロで一死3塁。
打順は、1番に返り、 北條。
北條 は、ショートライナー。
二死3塁。2番 西川 の打球は、センター前への小フライとなった。
3塁側倉工応援スタンドからは、「 落ちた、落ちた 」の声。
セカンド ショート センターの3人が追うも、真ん中に落ちた。セカンドベースが空いているのを見た 西川 は一気に、セカンドベースにヘッドスライディング。この 西川 の好走塁が倉敷工 に、大きく流れを呼び込む。
倉敷工2点め。二死2塁。
3番坪井 は、レフト前ヒットで、 西川ホームへ。3点目で、3対3の同点となる。沸き上がる3塁側倉工応援スタンド。
二死1塁。打者は4番福原。ここで、 和泉監督 が 坪井 に出したサインは、(走れ)。坪井盗塁を成功させ、二死2塁。畳みかける攻撃の 倉敷工。
この場面での盗塁は、難しい場面。
和泉監督 は、 坪井 の走塁能力を買ったのだろう。
4番福原 は、センター前に打ち返して坪井 ホームへ。
3連打で4点目を上げ、逆転する。4対3倉敷工逆転。
二死1塁。 5番藤原 は、右方向に打ち返し、二死1、2塁とする。
倉敷工4連打。 6番高本 は、三振に倒れ三死となる。4対3と逆転した 倉敷工。
沸き上がる倉工応援スタンド。
しかし、決勝までのチーム打率4割3分越えの 岡山城東 の、強力打線が エース中原
に、襲いかかった。

つづく 随時掲載

お願い 本文に迫力を持たせたく、敬称は略させて頂きます事をご了承下さい
参 考 山陽新聞社「 灼熱の記憶 」
協 力
小山 稔 氏 「 元 倉敷工業高校野球部 コーチ 」
和泉 利典氏 「 元 倉敷工業高校野球部 監督 」
中山 隆幸氏 「 前 倉敷工業高校野球部 部長 監督 」
西川 剛正氏 「 現 倉敷工業高校野球部 コーチ 」