白球100年 岡山の野球 14 「甲子園の魔物 2 最終回」

感激の入場行進。しかし、岡山東ナインにとってはつらい試合が待っていた。

三回裏に、悪夢が待ち受けていた。
秋山が、投げどもストライクが入らない。
押し出し。適時打。味方のエラーなどが出てメロメロ。
三点を与えて、三宅正にマウンドを譲った。
「目をつむって、真ん中へ放れ。」
と、言っても全然ダメだった、と監督だった松三暁平。

 

三宅正も打たれて、この回七点。四回、再びマウンドに戻った秋山だったが、今度は五安打を集中されて、四点を奪われ、七回には中西に、ダメ押しのランニング本塁打を浴びた。
秋山だけを責められない。打線は、わずか三安打。
秋山同様に、大荒れだった高松一の新井投手から、計十二四死球ももらいながら、三点しか援護できなかった。
三塁手だった山本操は、「何が何やらわからないうちに終わってしまった。」と話す。
結局、岡山東は三対十二の大差で負けた。
ナインは、人目を避けるように、夜行で帰岡した。

岡山東  100 020 000   3
高松一  007 400 10X   12

秋山登は、「球場全体を揺るがす歓声と一緒に、自分の体が浮き上がるような気がした。」と、回想する。
〚名門校へ。岡山東商〛
しかし、秋山、土井は、この日の屈辱をステップに、大学、プロ野球で大きく羽ばたいていく。

秋山 登さん

土井 淳さん

「いい経験になった。」と、口を揃える秋山、土井の二人。
また、初めて甲子園に出場したことにより、有望選手が次第に集まるようになり、やがて、四十年の選抜優勝に結び付いていく。

【お願い】
当ホームページ内、カテゴリー「〚風雲の軌跡〛」を参照してください。

つづく
随時掲載

参考文献
「球譜一世紀」
「灼熱の記憶」

参考
毎日新聞
山陽新聞

協力
岡山県立倉敷工業高等学校硬式野球部OB会
おいまつ会

「くらちゅう癒しのコンサート」に出演 倉工吹奏楽部

倉敷中央病院内フラワーガーデン「ドトール」で、倉工吹奏楽部が「くらちゅう癒しのコンサート」に出演しました。

このコンサートは、毎月3~4回開催されており、出演者も、「ぴあのごっこ」「放射線治療科 FEAT」など多彩で、ピアノやコーラスなど、多彩な演目が楽しめるコンサートです。

こうした中、7月22日、倉工吹奏楽部がこのコンサートに出演しました。会場はコンパクトな空間ながら、観客は満員。出入り口の外にまで観客が並ぶほどの大盛況でした。

曲目は、「桃太郎」第1曲をはじめ、「情熱大陸」など、親しみのある全7曲を披露しました。さらに、アンコールでは「マツケンサンバ」を演奏しました。そして最後は、「倉工校歌」で締めくくりました。観客からは、手拍子や笑顔があふれ、大盛り上がりでした。もしかしたら、観客の中に倉工卒業生がいたのかもしれません。

部長の前谷歩夢君(D3A)は、
「少人数ですが、どこにも負けない演奏をしたいです。」
と、力強く語ってくれました。

ユーフォニアム担当の庄司ももさん(T2)は、
「自分としては、完璧に吹けました。観客の人たちも楽しんでくれたと思います。いい経験ができました。」
と、満足そうでした。

倉工吹奏楽部OBで、病気療養中でありながらも、この日のコンサートのために、後輩たちの応援に駆け付けた木村義夫さん(昭和43年卒、現・おいまつ会相談役)は、演奏終了後、早速後輩たちに歩み寄り、後輩たちに温かいアドバイスを送りました。

「7人という少人数だからこそ、頑張ってください。一人一人、自分の持ち場を頑張ってください。」

在学当時のエピソードも交えながら、後輩たちに語り掛ける木村さんの言葉に、部員たちは真剣に耳を傾けていました。

 

    がんばれ 倉工
観客の心をつかめ 倉工吹奏楽部

白球100年 岡山の野球 13 「甲子園の魔物 1」

〚魔物〛
大観衆を飲み込んだ甲子園のマンモススタンド。
一球ごとに地鳴りのような大歓声が沸き、銀傘にこだまする。さらに、郷土の期待を一身に背負う重圧。
「実際に甲子園の土を踏んだ者でないと、絶対にわからない。」
経験者は一様にそう話す。
さらに、独特の雰囲気が球児たちの平常心を奪う。
「こんなはずじゃない。」
相手チームだけでなく、「甲子園に住む魔物」にも敗れ、無念の涙を流した球児は数知れない。

〚岡山東商 秋山―土井〛
岡山東商から明治大、そして大洋まで、常に歩みをともにし、東京六大学では三度優勝。昭和35年には、大洋日本一の原動力となるなど、一時代を築いた名コンビである。
しかし、二人が初めて甲子園の舞台に立った昭和26年夏。
岡山東商の甲子園初陣は、まさに「甲子園に住む魔物」に飲み込まれた典型的なケースだった。

〚大正12年創部 岡山東商野球部〛
大正12年創部の岡山東商。
昭和26年夏、下手投げから抜群の球威で押すエース・秋山と、強肩・好リードの捕手・土井を中心に、悲願の甲子園初出場を果たす。
岡山東商の初戦は、怪童・中西太を軸とする打の高松一。
バッテリーを中心とした守りが持ち味の岡山東商。
練習試合では勝っており、自信を持って試合に臨んだ。――そのはずだった。

〚ところが――。〛
ナインの様子がおかしい。
土井は二塁への送球が届かない。
送球は横へそれる。
試合に入っても、ナインの硬さはほぐれない。
秋山は三者連続四球で無死満塁のピンチを招く。
ナインの足は地についていなかった。
そして、三回裏に悪夢が待ち受けていた。

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つづく

参考文献
「球譜一世紀」
「灼熱の記憶」

参考
毎日新聞
山陽新聞

協力
岡山県立倉敷工業高等学校硬式野球部OB会
おいまつ