第94回選抜高校野球大会
【大会期間】
2022年3月18日~3月30日
【倉工の3元号】
甲子園。甲子園。甲子園。
昭和、平成、令和の各時代にドラマを残し地元で、「倉工」と称される伝統校にまたがる逸話の数々を振り返る。
今回が、その最後。次回から、第94回選抜物語の続きとする。
『伝統のDNAを受け継ぐ』
平成15(2003)年、夏の甲子園一回戦。
台風接近の中で行われ、強打の駒大苫小牧を相手に、エース陶山大介が、9安打4四死球と乱れた。
四回裏、0対8でなおも2死一三塁。
さらに、ここで大豪雨に見舞われグランドは、池の様になり、降雨ノーゲームに。翌日の再試合は、倉工が5対2で快勝したが、そこにも、知られる物語がある。
「甲子園は、水はけがいいので、ノーゲームになることは、全く考えていなかった。」と、当時の部長中山隆幸は振り返る。
監督の和泉利典と、二人三脚で育てたチーム。
点を入れなければ、倉敷に帰れないと、ベンチで攻略法を一心不乱に考えていた。
「強まる雨を気にする余裕は、なかった。」と、中山。
そんな時、急に大会役員に呼ばれ、再試合が告げられた。
宿舎に帰ると、【再試合の心構え】【戦略】など、計4時間の異例のミーティングを行った。
「再試合は、相手に失礼のないよう好ゲームにしよう。」と、心を整えたのだった。
それこそが、勝利を手中にしていた対戦相手に、敬意を示す最善の道だと考えた。
勝敗を超えた人間味は、名将小沢馨から後進の指導者らにも、確実に伝わっていた。
つづく
随時掲載
お願い
本文に迫力を持たせるため、敬称は略させて頂きます事をご了承下さい。
参考
毎日新聞
朝日新聞「バーチャル高校野球」
山陽新聞「灼熱の記憶」
(注)現在、「灼熱の記憶」は、ありません。
瀬戸内海放送「夢フィールド」
(注)現在、「夢フィールド」の放送は、ありません。
協力
和泉利典(元、倉敷工業高校野球部監督)
中山隆幸(元、倉敷工業高校野球部部長監督)
岡山県立倉敷工業高等学校硬式野球部OB会
岡山県立倉敷工業高等学校おいまつ会