【観戦記】
「朝6時30分に、倉工を出発して、バス3台でやって来ました。」と安藤正道校長。
明石トーカロ球場には、バス以外に在来線や新幹線を乗り継ぎ、倉工一塁側スタンドは、ほぼ一杯。その応援団が倉工ナインの背中を押した。高校野球で、おなじみの「サウスポー」「ルパン三世」「アフリカンシンフォニー」等、迫力ある演奏に合わせ、息の合った動きと緑色のメガホンを打ち鳴らしながらの大応援。曲に合わせ、足やメガホンを上げての動きの中に、保護者も加わっての応援が目を引いた。
試合終了後、倉工ナインがスタンドに向かって深々と頭を下げるとスタンドは大きな拍手で健闘を讃えた。
また、両校のスタンドへの挨拶の後、あべの翔学ナインは、倉工一塁側スタンドに向き深々と頭を下げた。これに対し倉工応援団一同から大きな拍手を贈ったのだった。
あべの翔学は、強いだけでなくマナーも良いチームだった。
三番手投手として、マウンドに上がった小鷹(2年生)。
小鷹秀樹保護者会副会長は、「応援ありがとうございました。この経験を糧に来年もここに帰って来ます。」
球場の外では、保護者会が応援に来た人たち一人一人にお礼を言っていたのも好印象で心に残った第67回全国高校軟式野球大会だった。
【評】
倉敷工初の決勝届かず。
大応援でナインの背中を後押し。
倉紙工 130 200 000 6
あべの翔学 330 004 21x 13
倉敷工は打ち負けた。1対3の二回2死一三塁から、前田、半田の連続長短打で3点を挙げ逆転に成功。
2点を追う四回は、敵失で追いつき食い下がった。
しかし、五回以後は、2安打に抑えられた。エース中野は、二回途中5失点で降板。
二番手右腕黒明は、粘投で踏ん張ったが、甘いコースを狙い打ちされ、相手打線の勢いを止められず、6対6の六回に、右中間適時二塁打など4点を勝ち越された。
ここは、あべの翔学打線が、甘い球を見逃さなかった打力に軍配を上げたい。
それでも、6安打で6点。鍛え上げた攻撃力は、前半は互角の戦いを見せた。この1年、勝てない苦悩の日々を乗り越え、たどり着いた全国ベスト4。4強の中で県立は倉敷工のみ。
チームにとっては、2000年第45回大会に並ぶ過去最高成績。7年ぶりに出場した全国大会の経験は、後輩たちに受け継がれていくことだろう。
球場から出て来た、倉工ナインに盛んな拍手が贈られた。
(山陽新聞および毎日新聞を参考にしました。)