熱闘甲子園 今昔物語 93 栄光の足跡 81

第94回選抜高校野球大会

【大会期間】
2022年3月18日~3月30日

【福島貫太主将】
開会式で選手宣誓の大役を務め、試合では5打数1安打だった。「最強に攻める野球」を体現し、チームの精神的主柱となったが、ここまでの道のりは平たんではなかった。

父も(平成8年卒・M科・野球部OB)、兄も野球をする野球一家で、3人兄弟の末っ子。2番目の兄は、プロ野球・中日に入団した福島章太投手(退団)。自身も小学1年から地域のスポーツ少年団で野球を始め、将来の夢はプロ野球選手だった。

【本気で野球をせえ】
一時は友達と一緒に私立に行ってアルバイトをしようと考え、プロ野球選手の夢も諦めかけた。そんな時、救いの手を差し伸べたのが、倉敷工・高田康隆監督だった。広角に打ち分ける技術と、素直で負けず嫌いな性格を高く評価してくれた。

中学3年の秋、高田監督が熱い言葉をかけてくれたという。
「本気で野球をせえ。俺が成長させてやる。一緒に甲子園を目指そう。」
それを聞いて「自分から野球を取ったら、何も残らないよな」と実感したという。

【周囲への感謝】
【主将は、全部員の使命】
高校では中学時代の考え方から「180度変わった」。周囲への感謝の気持ちを持てるようになり、全部員からの使命で選ばれた主将という立場も、自身をより成長させてくれた。高田監督も「責任感と使命感が増した」と目を細める。

【悔しいという思い】
「やって来たことを自信にして、攻める野球を貫き通す」と臨んだ初戦。初球から積極的にバットを振るも、凡退が続いた。延長11回、「塁に出たい」という一心で、内野安打の際、一塁へ気迫のこもったヘッドスライディングを見せた。

試合後、
「(相手投手の)ストレートが、すごく速く感じた。悔しいという思いしかない。これを糧にして、夏に戻って来たい。」
と、さらなる成長を誓っていた。

(現在、福島は社会人野球・JFE西日本で活躍中)

おわり

本号をもって「熱闘甲子園 今昔物語」は最後とします。永い間のご愛顧、ありがとうございました。

参考
山陽新聞
毎日新聞
朝日新聞「バーチャル高校野球」

協力
歴代倉工野球部監督・部長
おいまつ会

熱闘甲子園 今昔物語 92 栄光の足跡 80

第94回選抜高校野球大会
【大会期間】2022年3月18日~3月30日

倉敷工 強打沈黙
和歌山東 000 001 000 07 8
倉敷工  001 000 000 01 2
延長11回

投手 倉敷工 高山―近藤
安打 倉5 和13
二塁打 倉0 和1

【高山侑大投手】
悔しさをバネにして励んだ冬場のトレーニングで力をつけ、粘りの投球を見せた。昨秋は県大会決勝を除いて全て先発。182cmの長身から繰り出すキレのあるスライダーを持ち味に、「攻める野球」を支えた。

スタミナ強化が実り力投するエース高山

〚スタミナ強化実り 粘投する〛

「連投を投げ抜く力がなかった。」スタミナ不足を痛感した高山。野球部伝統の阿智神社の階段の駆け上がりで、野手の倍の40往復をこなし、心肺機能を高めた。精神的にも大きく成長した。

「最小失点で投げ切る。」と臨んだ甲子園のマウンド。スライダーだけでなく、球威が増した直球も駆使して、相手打線を10回まで1失点に抑えたが、最後に連打を許した。

延長十一回。2点適時打を許し、打球を追う高山。

〚ミス引きずり 乱れる〛

1対1で迎えた延長10回。強い気持ちが乱れた。打者として1死1塁から四球を選んで出塁したが、次打者の右飛でアウトカウントを間違えて飛び出してしまい、帰塁できずにアウト。反撃の流れを止めてしまった。直後の11回もマウンドに上がったが、「気持ちが切り替えられなかった。」先頭打者から3連打を許し、四球や守備の乱れも絡んで大量失点して力尽きた。

エース奮闘も、延長十一回力尽きる。

〚練習のたまもの と高山〛

高山は「171球を投げても疲れを感じなかったのは練習のたまもの。」と振り返った。そして「エースが投げている試合は勝たないといけない。粘り切れなかった。」初の聖地で味わった悔しさだった。「甲子園はすごく投げやすかった。夏は全試合完投して甲子園に戻って来たい。」と語った高山だった。

つづく 随時掲載

参考 山陽新聞/毎日新聞/朝日新聞「バーチャル高校野球」
協力 歴代倉工野球部監督・部長/おいまつ会