大願成就 己に勝つ野球 10

腰に不安を抱えている倉工エース陶山大介。
今夏の岡山大会の初戦。ウォーミングアップで遠投している時、突然のぎっくり腰になった。「もう、目の前が真っ黒になりましたよ。それで、病院や整体に何度も連れて行きました。」と中山隆幸部長。また、和泉利典監督は、「備前市の方にいい医者がいると聞いたんで、備前にまで行って電気治療もしまして。もう、こちらも必死でした。」
倉工球史に輝く久々の本格右腕。しかし、故障に泣かされる日々。こうして迎えた対岡山南戦の準々決勝だった。

第85回全国高校野球選手権岡山大会
準々決勝
倉敷工 030 002 101 7
岡山南 004 000 101 6

西野、田中が活躍。
「最大の、ヤマ場だった。」と、和泉監督。
西野の3ランで先制しながら、エース陶山が打ち込まれて逆転される苦しい展開。しかし、終盤の勝負どころできっちりと送りバントを決めて得点を重ね、1点差で逃げ切った。
リードされても動じない精神的な強さを見せる。
6回に逆転。陶山は、12安打を浴びながらも完投。
7番田中が5安打。8番萩原が2安打するなど、打順に関係なく攻撃できる力を見せつけた。
次の準決勝の相手は、昨春の選抜甲子園でベスト4の関西。
チーム打率4割3分5厘。1試合平均9点を叩き出す強打の関西。当然ながら、本格右腕対関西打線となる。倉工エース陶山が、どこまで抑えられるかであろう。
腰に不安を抱える、陶山のデキが倉工の浮沈を握る。

つづく
随時掲載

お願い
本文に迫力を持たせるため、敬称は略させて頂きます事をご了承下さい。

参考
山陽新聞
毎日新聞
(当時の新聞記事を参考にして、一部を引用しています。)

協力
小山 稔氏「元倉敷工業高校野球部コーチ」
神土秀樹氏「元倉敷工業高校野球部コーチ」
和泉利典氏「元倉敷工業高校野球部監督」
中山隆幸氏「前倉敷工業高校野球部部長監督」

大願成就 己に勝つ野球 9

第85回全国高校野球選手権岡山大会
倉敷工の初戦、対古城池戦を前にしてウオーミングアップをしていた倉工ナイン。エース陶山大介は、遠投で準備をしていた。
その時陶山は、突然のギックリ腰になってしまったのだった。
入学時から脚光を浴びた陶山。倉工球史に輝く久々の本格右腕。
夏の甲子園までは茨の道が続く。故障に泣かされ続ける日々。
しかし、倉工ナインは一層の団結力を示した。
「陶山が、帰って来るまでは、絶対に負けられんぞ。頑張るしかないぞ。」主将須田洋光が呼びかけた。

二回戦
倉敷工 521 031 1
古城池 000 000
5回コールド

集中打と小技。12安打11得点で圧勝。
一回、5本の安打に四死球。犠打を絡ませて、一挙5点を先制。
3投手で、無安打に抑える。

三回戦
倉敷工 000 001 010 2
大安寺 000 000 000 0

エース陶山を温存。清水、赤木の両投手の好投と安定した守備力が光る。
これで、ベスト8進出が決定。ここで、倉工野球部は試合に集中するため、選手全員を市内のホテルに宿泊させたのだった。
これは、外部からの連絡や激励、あるいは声などを一切遮断するため。過去、家庭内の問題が気になり一睡もできずに試合に臨んだ選手さえもいた。こうした事を防ぐため、全員をホテルに宿泊させて隔離し、集中して試合に臨んだのである。
準々決勝の相手は、難敵岡山南。
「最大の、ヤマ場です。」と和泉監督。エース陶山の復調が熱望されていた。

つづく
随時掲載

お願い
本文に迫力を持たせるため、敬称は略させて頂きます事をご了承下さい。

参考
山陽新聞
毎日新聞
(当時の、新聞記事を参考にして、一部を引用しています)

協力
小山 稔氏「元倉敷工業高校野球部コーチ」
神土秀樹氏「元倉敷工業高校野球部コーチ」
和泉利典氏「元倉敷工業高校野球部監督」
中山隆幸氏「前倉敷工業高校野球部部長監督」