熱闘甲子園 今昔物語 59 栄光の足跡 47

第81回選抜高校野球大会

【概要】
2009年3月21日~4月2日(平成21年)
入場曲「キセキ」

開幕試合 倉敷工11―10金光大阪
二回戦 中京大中京6―5倉敷工

【まとめ2】
『これが粘りの倉工野球だ』
金光大阪210 120 003 001 10
倉敷工 100 301 013 002 11

43000人が見守ったゲームを支配していたのは、金光大阪だった。しかし、倉敷工ナインは、最後まで諦めていなかった。
四回裏に3点差。八回にも1点差を追いつくが、九回にも3点を奪われ、6対9に。不安に包まれる倉工アルプススタンド。だが、ここから脅威の粘りを見せる。1点を返し、なお1死一二塁。8番山形の打球が、ライト線を破る同点三塁打。山形、三塁上でガッツポーズ。
十二回裏に1点をリードされたその裏。四回に同点本塁打を打った三村が出塁し、1死満塁の好機を作る。
次の打席には、ここまで無安打の4番三木。スタンドから、「三木、打ってくれ。」と、祈りにも似た声援が飛んだ。三木は、打席に入る前、中山隆幸監督から「お前なら打てる。」と言われ不安が消え、打てる気になったという。「ここで、同点にして、日下に任せよう。」その通り、適時右前打を放って、同点に追いついた。
『甲子園のヒーローになるんだ』
『(チャンスが)来た来た』と日下。打席に入った日下。3球めを打ち返し、見事ヒーローになる。
「リズム作れた」倉敷工中山隆幸監督開幕戦という事で、私も緊張した。しぶとい守りが身上だが、ピンチでもしっかり守って、リズムを作れた。
選手たちの粘り強さに驚いた。何試合やったかわからないぐらい疲れた。

「さあ、本番」開幕試合で対戦する金光大阪と倉敷工の選手たち。

得点に盛り上がる、倉敷工の生徒

延長12回裏。倉敷工2死一三塁。日下が、右前へサヨナラ打を打つ。

延長12回裏2死一三塁。
三塁走者、三村は日下の適時打で生還。
サヨナラ打となる。

サヨナラ打を放った日下(右橋)を迎える、倉敷工ナイン。

12回裏。倉敷工2死一三塁。
日下の、右前打で、三村が生還して11対10で、サヨナラ勝ちする

逆転サヨナラ打で金光大阪を下し、校歌を歌う倉敷工ナイン。

つづく
随時掲載

お願い
本文に迫力を持たせるため、敬称は略させて頂きます事をご了承下さい。

参考
朝日新聞「バーチャル高校野球」
山陽新聞「灼熱の記憶」
(注)現在、「灼熱の記憶」は、ありません。
瀬戸内海放送「夢フィールド」
(注)現在、「夢フィールド」の放送は、ありません。

協力
和泉利典(元、倉敷工業高校野球部監督)
中山隆幸(元、倉敷工業高校野球部部長監督)
岡山県立倉敷工業高等学校硬式野球部OB会
岡山県立倉敷工業高等学校おいまつ会

熱闘甲子園 今昔物語 58 栄光の足跡 46

第81回選抜高校野球大会

【概要】
2009年3月21日~4月2日(平成21年)
開幕試合 倉敷工11―10金光大阪
二回戦  中京大中京6―5倉敷工

【まとめ1】
選抜高校野球の話題が届き、冷え込む季節に熱い過去の記憶が湧き上がって来る。
古豪復活を狙う倉敷工が、選抜に出場するが「強打の倉工」のイメージは、もう遠い記憶になっていた。
『倉工粘り強さが身上』
『倉工試合ごとに進化』
倉敷工は、昨秋、地元の倉敷マスカット球場で開催された秋季中国大会で、37年ぶりに制覇し、「34年ぶり10回めの、選抜出場」を決める。しかし、その中国大会には、県大会4位という、出場資格ギリギリの出場だった。

中国大会で、37年ぶりに優勝して喜ぶ 倉敷工ナイン

2回戦で県大会覇者の作陽を大差で破って勢いに乗ってベスト4で鳥取城北、決勝では、南陽工を下し、見事優勝を飾る。
そして、試合終了後、ナインは監督中山隆幸と一人ずつ次々に抱き合ったのだ。そして、泣いた。
一塁側倉工大応援団も泣いた。
(今年の)倉敷工は、粘り強さが身上の実践的攻撃形のチーム。県大会から中国大会にかけ、試合ごとに「進化を続けたフレッシュなチーム」と言えよう。

『どんな事があっても、絶対諦めるな』
『死ぬ気で、やり抜け』
(この年の)昨年3月から、チームを率いるOBの中山隆幸監督。一試合一試合を「どんな事があっても諦めるな。」「死ぬ気でやり抜け」という精神面で負けない元気野球を目指し頂点に立つ。

円陣を組んで、気合いを入れる選手と中山隆幸監督。(右端)「諦めるな。死ぬ気でやり抜け」

中山隆幸監督の指示を聞く倉工ナイン

県大会4位のチームが、中国大会で優勝した記録はない。
34年ぶりの選抜甲子園。快進撃の予感がしていた。

快進撃の予感がする 倉工ナイン

つづく
随時掲載

お願い
本文に迫力を持たせるため、敬称は略させて頂きます事をご了承下さい。

参考
朝日新聞「バーチャル高校野球」
山陽新聞「灼熱の記憶」
(注)現在、「灼熱の記憶」は、ありません。
瀬戸内海放送「夢フィールド」
(注)現在、「夢フィールド」の放送は、ありません。

協力
和泉利典(元、倉敷工業高校野球部監督)
中山隆幸(元、倉敷工業高校野球部部長監督)
岡山県立倉敷工業高等学校硬式野球部OB会
岡山県立倉敷工業高等学校おいまつ会