第78回全国高校野球選手権大会 岡山大会。 決勝 倉敷工 VS 岡山城東 53校が参加して、51校が球場を去った。残ったのは、 倉敷工 と 岡山城東。 これから、甲子園出場を目指した熱い戦いが、始まる。
岡山城東 は、 春の選抜甲子園で、4強入りを果たす。そして、春の県大会優勝。8校選抜 ( 現在は廃止 )も優勝。更には、春の中国大会でも優勝。公式戦無敗を 誇る強豪校。
一方、 倉敷工 は、春の県大会決勝で 岡山城東 に敗れ 準優勝。県8校選抜も、 岡山城東 に敗れ準優勝。 倉敷工 3度めの 正直となるか。主将 北條 剛 は、「 城東と当たっても、ぼくたちの野球を するだけです。 」と、コメント。
7月29日、倉敷マスカット球場。11時の開門に 合わせ、ぞくぞくと入場者が集まって来た。
白いTシャツに、赤のマジックで 『 勝つぞ 倉工 』『 必勝 倉工 』と、書いた 倉工生 がたくさん目立つ。 球場の外では、急造の 自主応援団 が、振り付け、発生練習をしている。 【 「倉工4番打者 福原一樹 」 行けえ 行けえ かっ飛ばせよ かっ飛ばせ カズキ カズキ おーカズキ 】その一人が言った。【 従来の応援団員は、4人 なんです。それに、ぼくたちが加わって、盛り上げます。もし、 甲子園 に 行ったら、 50人 にします。 】と。さらには、ソフトテニス部をはじめ、各部が 練習を止めて、応援に駆け付けた。春の県大会、8校選抜で 準優勝に 甘んじている 倉敷工。全校が一丸となって 古豪復活 に掛ける 倉敷工。
こうして、午後一時 プレーボール のサイレンが鳴った。先攻を取った 倉敷工。 『 1番センター 北條君 』と、場内アナウンスされた。すると、3塁側倉工応援 スタンド、あちらこちらから、【 行けよ北條 】【 北條一本 行けえ 】と、 大きな 激 が飛んだ。
つづく 随時掲載
お願い 本文に迫力を持たせたく、敬称は略させて頂きます事をご了承下さい。
参 考 山陽新聞社 「 灼熱の記憶 」
協 力 小山 稔氏 「 元 倉敷工業高校野球部 コーチ 」
和泉 利典氏 「 元 倉敷工業高校野球部 監督 」
中山 隆幸氏 「 前 倉敷工業高校野球部 部長 監督 」
西川 剛正氏 「 現 倉敷工業高校野球部 コーチ 」
捲土重来 平成8年の夏 14
頼もしきOBが凱旋して、3度めの夏を迎え、今 野球部部長として チームを引っ張る 中山 隆幸。小沢野球を追求し、ますます老練さ を加えて行く 監督 和泉 利典。この二人を補佐するOBコーチの 藤原 勝利 と 永山 勝利。炎の闘志 と 団結力の 平成8年の 夏。スタッフは、 投 攻 守 三拍子揃った大型チームを作り上げる。 和泉 が目指す 【 小沢野球 】とは、いったいどの様なものだろうか。 岡山東商 など、他の伝統校に比べ、後発ながら 倉敷工 は、短 期間で 甲子園の常連 となった。チームを率いていたのは、昭和24年 夏の甲子園初出場時のエースだった 小沢 馨。『 故人。当HPで 硬式野球部連載を、カテゴリーに分類しました。の中 風雲の奇跡 を参照してください。2018年8月14日 』卒業後、プロ野球 阪神 に も在籍した 指揮官 は、 打撃のチーム を、追い求める一方、 豊富な経験に基ずく 巧みな采配 で知られた。また、左腕 から 快速球 と 何種類もある カーブを操り 甲子園に4季連続出場。 3年時の、昭和43年は 春夏連続で 4強入りし 頂点に迫った 小山 稔。( 同じく、当HPカテゴリーに分類の中 青春ヒーローを 参照して下さい ) コーチとしても支えた 小山 は、「 何十っ手も先を読み 最善の 手 を打つ。プロ野球の監督になっても 成功 する力が あったのでは。 」と語る。こうして迎えた 平成8年夏の、岡山大会。 53校が参加して開催。今、51校が球場を去った。残るは、この年 春の選抜甲子園で、4強入りし 中国地区王者の 岡山城東 と 倉敷工 の2校。 倉工校内 そして 白壁の街 が、慌ただしく なって来た。
つづく 随時掲載
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参 考 山陽新聞社 「 灼熱の記憶 」
協 力 小山 稔氏 「 元 倉敷工業高校野球部 コーチ 」
和泉 利典氏 「 元 倉敷工業高校野球部 監督 」
中山 隆幸氏 「 前 倉敷工業高校野球部 部長 監督 」
西川 剛正氏 「 現 倉敷工業高校野球部 コーチ 」
平成30年度 おいまつ会入会式
新しく、317名の会員を迎え入れました。
日時 平成31年2月28日(木)9時50分~10時10分
場所 倉工体育館
1 開式の言葉
2 校歌斉唱
3 おいまつ会会長あいさつ
4 おいまつ会名誉会長挨拶
5 表彰状授与「科学技術文化功労賞」
① 全国工業高等学校長協会第30回生徒表彰受章
電気科3年 田中 祐樹(たなか ゆうき)
② 甲種危険物取扱者 資格取得
電気科3年 野上 拓真(のがみ たくま)
③ 甲種危険物取扱者 資格取得
工業化学科3年 小林 優斗(こばやし ゆうと)
④ 甲種危険物取扱者 資格取得
工業化学科3年 継山 司(つぎやま つかさ)
⑤ 甲種危険物取扱者 資格取得
工業化学科3年 松本 翔希(まつもと しょうき)
「スポーツ功労賞」
⑥ 平成30年度全国高等学校総合体育大会水泳競技大会 水泳競技
競泳 背泳ぎ 男子 100m 第5位
機械科3年 岡田 幸大(おかだ こうた)
水泳競技 競泳 背泳ぎ 男子 100m 第5位
機械科3年 岡田 幸大(おかだ こうた)
⑦ 第40回全国高等学校柔道選手権大会
個人戦 66kg級 第5位 機械科3年 平野 達也(ひらの たつや)
⑧平成30年度第20回全国高等学校女子ウエイトリフティング競技選手権大会
58kg級 スナッチ64kg 第8位 機械科3年 澤田 茉弥(さわだ まや)
6 記念品贈呈
7 新会員代表挨拶
8 役員紹介
会長 (日下 誠)
副会長 (生田 岩雄)(木村 義夫)(三好 修一)(三宅 香)
企画委員 (梶原 忠)(小山 稔)(守屋 文明)(渡辺 英次)(荒木 竜二)
9 事務連絡
10 閉式の言葉
応援団 エール・校歌斉唱
捲土重来 平成8年の夏 13
第78回全国高校野球選手権大会 岡山大会準決勝 倉敷工 VS 関西 前年と同じカードになった岡山大会準決勝。前年は、全国的に有名になった エース左腕吉年投手 を持つ 関西。その 関西 に対して一回に3点、二回に2点、三回に1点を取り、早々と 吉年投手を攻略したかに見えた。だが、徐々に調子を取り戻して来る 吉年投手。また、中軸打者に連続長打を打たれ、終わって見たら 6対7 の逆転負けを喫した 倉敷工。「 あの試合の悔しさは、いつまでも忘れられません。 」と、 現 倉敷工野球部コーチの 西川剛正。 倉敷工 が勝利したのは、エースの力投と、繋がる打線 集中打だった。
関 西 100 000 000 1
倉敷工 000 050 010 6
一回にタイムリーを打たれ、1点を献上した 倉敷工。しかし、二回以後安定した投球を見せる エース中原俊博。投手力に不安を抱える 関西。その関西投手に、五回 倉工打線 が襲いかかった。 4番福原 が左中間にタイムリー3ベースヒットで、2点を勝ち越す。 6番高本 も右中間に、タイムリー3ベースを打つ。長短6本のヒットで、5点を取る。エース中原は、初回の1点だけに押さえ 6対1 で勝利を飾った。この時、主将の 北條剛 は「 初回に1点取られたんですが、いつでも追いつける。今日は、たたみかける連打が、出たので良かったです。 」と、コメントした。一方、 西川 は「 2年連続の準決勝 関西 戦は先輩の分まで、絶対に負けるわけには、行かなかったです。 」そこには、真っ赤に燃え上がる 炎の闘志 と 力強い 団結力 がある。投手はいい。守りもしっかりしている。攻撃も全員が、3割を超える。1、2番の 北條 西川 の俊足コンビが出ると、すぐに足でかき回す。この、1、2番コンビが、相手チームにとって、いやな存在となっている。そして、クリーンアップで点を取る。また、下位打者には勝負強い打者がずらりと並ぶ。こういうチームは、なかなか作れるものでは、なかろう。平成8年の夏は、熱い。
つづく 随時掲載
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参 考 山陽新聞社 「 灼熱の記憶 」
協 力 和泉 利典氏 「 元 倉敷工業高校野球部監督 」
中山 隆幸氏 「 前 倉敷工業高校野球部部長 監督 」
西川 剛正氏 「 現 倉敷工業高校野球部 コーチ 」
捲土重来 平成8年の夏 12
第78回全国高校野球選手権大会 岡山大会準々決勝
倉敷工 VS 玉島商闘志を燃やし、必死で白球を追う球児は、高校野球ファンの心を揺さぶる。 倉敷工 の勝利を決定づけたのは、思い切りの良さとエースのバット、そして下位打線の打棒だった。
玉島商 010 020 000 3
倉敷工 000 100 201 4
9回表 玉島商 の攻撃。この回の先頭打者が左中間を破り、三塁打を打ち、無死三塁とする。ここで エース中原 は、次の打者を内野ゴロに仕留める。一死三塁となったところで 玉島商ベンチ はスクイズのサイン。
しかし、バントは、セカンド方面への小フライとなる。
セカンド西川 猛ダッシュしてすくい上げ、三塁へ転送。ダブルプレーを完成させる。この場面現在、倉敷工高野球部コーチの 西川剛正 は、次の様に語る。「 スクイズを予想していました。自分の所に来る様なイメージがありまして。身体が、うまく反応しました。負けたくない気持ちが強かったです。普段のイメージトレーニングが、役に立ちました。 」
9回裏 倉敷工 の攻撃。二死となったところで、7回にタイムリーを打った8番ショート 渡辺 が打席に立つ。思い切った打球は、三塁手右を破りボールは、レフト線を転々となる。 渡辺 は、二塁へ。二塁ベース上でガッツポーズをする 渡辺。これで、二死ランナー二塁。ここで打席には毎日の早朝練習で、打撃練習に取り組んで来た 9番エース中原。
中原 は、狙っていた。【 俺のバットで、サヨナラを決めてやる。 】と。
中原 の打った打球は、三遊間のド真ん中を破った。いいスタートを切った渡辺。三塁ベースを蹴って、ホームに走った。『 走る 走る 走る 』そして、ホームに足からスライディング。そして、レフトからバックホームが帰って来た。
【 セーフ 】サヨナラ、サヨナラ勝ちの 倉敷工。
渡辺 両ひざをグランドにつき、両手の握りこぶしを高く差し上げ、背中を大きく後ろにそらして ガッツポーズ。そこへ、ナインが集まって来た。大熱狂の 倉工応援スタンド。試合後 監督 和泉利典 は、「 1点差でも、勝利を貰ったという事で。この勢いを持ってやって行きたい。 」と、コメントした。
つづく 随時掲載
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参 考 山陽新聞社 「 灼熱の記憶 」
協 力 和泉 利典氏 「 元 倉敷工業高校野球部監督 」
中山 隆幸氏 「 前 倉敷工業高校野球部部長 監督 」
西川 剛正氏 「 現 倉敷工業高校野球部 コーチ 」
捲土重来 平成8年の夏 11
第78回全国高校野球選手権大会 岡山大会準々決勝
倉敷工 VS 玉島商夏に強い 玉島商。打倒倉工を目指して金星を上げたい 玉島商。
しかし、 倉敷工 の勝利を決定付けたのは、超ファインプレーと自慢の倉工打線の中、下位打線の打棒だった。
玉島商 010 020 000 3
倉敷工 000 100 201 4
5回、玉島商 の攻撃。2本のヒットと四球で満塁とする。ここで、左中間にヒットを打ち、2点を取り 3対1 と 玉島商 リード。一方、 倉敷工 は7回タイムリー3ベースの 7番白神 を3塁に置いて 8番渡辺 が、1,2塁間を破り、 白神 がホームへ帰る。
8回を終わって 3対3 の同点。
そして9回。ここで、大きなドラマが待っていた。
玉島商 この回の先頭打者が、低いライナーで左中間を破り、3塁打を打つ。 倉敷工 無死3塁 のピンチを迎える。
しかし、 エース中原 捕手福原 のバッテリーは、冷静だった。次の打者を、ショートゴロに打ち取る。
ショート渡辺 がっちり捕球して、3塁ランナーを牽制して、1塁へ。
これで、一死3塁。ここで、スクイズが大きく考えられる場面。
倉工応援スタンドは、3塁ランナーの動きに注目している。
ボールカウント、2ボール1ストライク。冷静なバッテリー。
エース中原 は、右打者の外角やや高めに投げた。
3塁ランナーがホームに走った。打者がバントの構えをした。
【 スクイズだ 】しかし、スクイズバントは、セカンド方面への小フライとなった。
セカンド西川 猛ダッシュして、小フライをすくい上げた。と、同時に3塁に転送。
サード坪井 足を伸ばし手を伸ばしキャッチ。
審判が、横に動き右手を握り、90度に曲げ2度3度腕を振った。
【 アウト 】
このプレーが、 倉敷工 の窮地を救う。
右打者の外角やや高めに投じたエース中原。
バントをしてもフライを誘った 中原 の投球術。
そして、セカンド西川 の超ファインプレー。
ベンチで両手を叩き、大きな笑顔でナインを迎える 和泉監督。
大盛り上がりの 倉工応援スタンド。この大盛り上がりが、倉工ナインの背中を押す。
奇跡の様なプレーが起こるのは、それを呼び込めるだけの、努力をした選手だからである。
ピンチを乗り越えた 倉敷工。9回最終回を迎える。
つづく 随時掲載
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参 考 山陽新聞社 「 灼熱の記憶 」
協 力 和泉 利典氏 「 元 倉敷工業高校野球部監督 」
中山 隆幸氏 「 前 倉敷工業高校野球部部長 監督 」
西川 剛正氏 「 現 倉敷工業高校野球部 コーチ 」
捲土重来 平成8年の夏 10
平成8年。この年、県高野連発足50周年を記念して、朝日新聞社にお願いして、新しく 優勝旗 を新調した。この新しい 優勝旗 を、そして 甲子園を目指した戦いが始まる。この年、春の選抜甲子園で、4強入りした 岡山城東は、春夏の連続出場を目指す。また、夏の甲子園3年連続出場を狙う 関西。倉敷工 は春の県大会決勝で、 岡山城東 に敗れ 準優勝。続く、八校選抜( 現在は廃止 )も、決勝で、同じく 岡山城東 に敗れ準優勝。 倉敷工 3度目の正直となるか。もう、準優勝はいらない。県大会を前にして、ミーティングが開かれた。ナインは一人一人に思いを語った。その思いの中、【 監督さんは、試合中は 笑顔 でいて下さい 】と。ここで、当HPが見た、チームの横顔を紹介したい。一番センター 北條二番セカンド 西川 は、出塁率が高く走ってかき回す。そして、クリーンアップで返すのが、パターン。 エース中原 は、コントロールが良く、ストレートに威力がある。捕手の 福原 は、強肩で長打力はチーム一。サードの 坪井 はパワーヒッターで足も速い。ショートの 渡辺 は、チーム一の努力家であり守備力は、抜群。レフト 藤原 は、パワーヒッターで、守備もいい。ライト白神 はリストが柔らかく 強肩巧打。個性揃いの 倉工ナイン。やはり一番北條、二番西川の、1番2番コンビが相手チームに 脅威を与えるのは間違いない。こうして、第78回全国高校野球選手権大会 岡山大会が開幕する。 倉敷工 は、第2シード。初戦は、一回戦延長で勝利した笠岡工。一回表、 笠岡工 の攻撃。 倉敷工 は、いきなり満塁のピンチに立つ。その満塁から、ヒットを打たれ1点を献上。だが、二回に1点、三回に2点を上げ逆転に成功。終わって見れば 5対1 の勝利。投げては、エース中原が、10個の奪三振。特に九回の、3者連続奪三振は圧巻。3回戦は打倒倉工を目指し、金星を挙げたい 玉島商 だった。
つづく 随時掲載お願い
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参 考 山陽新聞社 「 灼熱の記憶 」
協 力 和泉 利典氏 「 元 倉敷工業高校野球部監督 」
中山 隆幸氏 「 前 倉敷工業高校野球部部長 監督 」
西川 剛正氏 「 現 倉敷工業高校野球部 コーチ 」
捲土重来 平成8年の夏 9
平成8年。 和泉 と 中山 のコンビは、他校に先駆けて画期的な事を次から次へと起こしていく。メンタルトレーニングの導入、ナイター戦の実現に引き続き、教育リーグを実施する。この、教育リーグとは、ベンチに入れない三年生と、一年生の中から 有望選手 を選抜しチームを作り、他校と交流試合を行うもの。一年生にとっては、いい経験になるであろう。ナイター戦 と 教育リーグ について、 和泉 と 中山 は「 生徒の想い出作りのために始めました。 」と、口を揃えて言う。だが本当に想い出作りだけなのであろうか。他にも 狙い 意図 があったのではなかろうか。真の 狙い 意図 とは何か。それは、次の事の様に考えられる。
【 野球の楽しさ 野球の面白さ を実感してほしい 】そして【 卒業しても決して 野球 を嫌いにならないように。どんな形でもよいから、 野球 を続けていってほしい。 野球 を愛し続けてほしい。 】との、狙いがあったのではなかろうか。交流試合会場に、運び込まれた一個の白いボールが選手たちの 夢 を育む。
さらに、画期的な事は続く。工業交流大会を始めたのも、この年からだった。県立工業高校にとって、国家試験において資格取得というのがある。その資格取得のために、補習授業があり、時には休日でも、登校して、補習授業を受ける事さえある。そのために、思うような練習時間が確保できないという、ハンディーがある。そのハンディーを、お互い克服して行く事を、目的として、 水島工 津山工 東岡山工 等といった県立工業高校同志で、交流試合を始めたのだった。こうして、平成8年夏の、県予選が間近に迫って来た。平成6年県一年生大会で優秀校に輝いたメンバーにとって、 甲子園 に向けて、一球一打にかける最後の勝負の戦いが始まろうとしていた。県予選を前にして、ミーティングが開かれた。ナインは、 監督 和泉利典 にあるお願いを、したのだった。 つづく
参 考 山陽新聞社 「 灼熱の記憶 」
協 力 和泉 利典氏 「 元 倉敷工業高校野球部監督 」
中山 隆幸氏 「 前 倉敷工業高校野球部部長 監督 」
西川 剛正氏 「 現 倉敷工業高校野球部 コーチ 」
祝 日本野球連盟 ベストナイン
捲土重来 平成8年の夏 8
平成7年夏。県大会ベスト4。準決勝で、春の選抜甲子園に出場した 関西 と対戦。
全国的にも知られ、高校生離れした球威を誇る 左腕エース吉年投手 に対し
6点を叩き出した 倉工打線。 しかし、最後まで粘りきれず 6 対 7 の逆転負けを
喫す。この負けを、明日に繋げたい 倉敷工。運動能力抜群の 北條 西川。 特に
西川 のシャープなバットスイングは、光るものがある。打撃が良く、バントもうまい 坪井。
強肩で、捕手 内野手 もできる 福原。これら、2年生からの出場メンバーが、持ち味
に磨きをかけ、チーム力は着々と向上した。迎えた平成8年。平成6年県一年生大会
で、優秀校に輝いたメンバーにとって、勝負の年となる。この平成8年 和泉 と 中山
のコンビは、他校に先駆けて、画期的な事を起こす。まずは、メンタルトレーニングの導入。
あらゆる事を想像しての、トレーニング。このメンタルトレーニングが、後で大きく役立つ事
になる。次は ナイター戦。夏の県予選において、ベンチに入れない 3年生 の選手同士
が、ナイターで試合を行うもの。スコアーボードをフル活用し、場内アナウンスをつけ
ベンチ入り予定選手は、チームメイトへの応援に熱が入る。さらに、応援団 ブラスバンド部
も登場し、白熱した 応援合戦 が繰り広がれる。この映えある、第一戦は、倉敷市営
球場で、 倉敷商 と実現し、 1 対 0 で 倉敷工 が勝利を飾った。このナイター戦
が、チームの 団結力 を生む。ナイター戦は、現在でも、 倉敷マスカット球場 で
行われている。 和泉 と 中山 のコンビの画期的な事は、さらに続く。
つづく 随時掲載
お願い 本文に迫力を持たせたく、敬称は略させて頂きます事をご了承下さい
参 考 山陽新聞社 「 灼熱の記憶 」
協 力 和泉 利典氏 「 元 倉敷工業高校野球部監督 」
中山 隆幸氏 「 前 倉敷工業高校野球部部長 監督 」
西川 剛正氏 「 現 倉敷工業高校野球部 コーチ 」