熱闘甲子園 今昔物語 62 栄光の足跡 50

第81回選抜高校野球大会

【概要】
2009年3月21日~4月2日(平成21年)
入場曲「キセキ」
開幕試合倉敷工11―10金光大阪
二回戦中京大中京6―5倉敷工

【おわりに2】
倉敷工対金光大阪
『4万3千人。新甲子園いきなり沸く』
2度めのサヨナラ劇に、倉敷工ナインの喜びが爆発した。
同点に追いついた、延長12回二死一三塁。
日下の打球が、右前で弾むと、新装の銀傘に大歓声がこだました。
「僕が決めるしかないと、思っていました。みんなの心が、一つになれたから、ここまで来れた。」
「驚異の粘り腰」
伏線は、九回にあった。3点を勝ち越されたが、山形の右翼線への、2点三塁打で同点。
続く、山本が、投手前に、スクイズ。本塁クロスプレーとなり、白球は、ミットからこぼれたが、球審の判定はアウト。
「球審に、『落としてないですか』と、確認したら、『(タッチした時は)落としてない』と、言われた。」と山形。アピールしたが、認められなかった。
微妙判定に、聖地がざわめき、球場に抗議電話が殺到した。それが、発奮材料になった。
「あれで、負けられない。という気持ちになった。」と主将の頼。
勝利への執着心が最後に、実を結んだ。
倉敷工と言えば、今でも語り草の、「奇跡の大逆転負け」が有名だ。
1961年夏の、報徳学園戦で、延長11回6点を奪いながらその裏、6点を失って同点とされ、延長12回サヨナラ負け。
勝った報徳学園に逆転伝説ができた。
48年の時を経て、今度は主役になった。
1961年8月13日、一回戦

倉敷工  000 000 000 060 6
報徳学園 000 000 000 061 7

両チームで38安打の乱打戦を制した。中山隆幸監督は「また、歴史に残る試合をやった。150%の(力)が出ましたね。」この開幕試合の直前、中山隆幸監督は「緊張感を力に変えろ」と指示していたのだ。
(倉敷工は)リニューアルされた、聖地の開幕戦で、満員となった43000人の心を震わせた。
半世紀前の悪夢に別れを告げたタフネス軍団が、台風の目になる。
(平成21年3月22日付。)
(サンケイスポーツより、引用しました。)

つづく
随時掲載

お願い
本文に迫力を持たせるため、敬称は略させて頂きます事をご了承下さい。

参考
朝日新聞「バーチャル高校野球」
山陽新聞「灼熱の記憶」
(注)現在、「灼熱の記憶」は、ありません。
瀬戸内海放送「夢フィールド」
(注)現在、「夢フィールド」の放送は、ありません。

協力
和泉利典(元、倉敷工業高校野球部監督)
中山隆幸(元、倉敷工業高校野球部部長監督)
岡山県立倉敷工業高等学校硬式野球部OB会
岡山県立倉敷工業高等学校おいまつ会

熱闘甲子園 今昔物語 61 栄光の足跡 49

第81回選抜高校野球大会

【概要】
2009年3月21日~4月2日(平成21年)
入場曲「キセキ」
開幕試合 倉敷工11―10金光大阪
二回戦 中京大中京6―5倉敷工

【おわりに】
選抜は、ベスト8に進めず、残念ながら快進撃とは言えなかった倉敷工。全国の強豪校に、1回戦は延長12回、劇的なサヨナラ勝ち。2回戦は、前半の大量失点を激しく追撃したが、わずか1点及ばず惜敗。中山隆幸監督率いる倉工の選抜は、1勝1敗に終わった。

試合運びは洗練されたものではなかったが、決して勝負を捨てない。諦めない。秋の中国大会から続くゲームの進化を物語るものだった。
ドキドキ、ハラハラ。握り拳が何度も硬くなった。
「倉工がんばれ。まだ、チャンスは残っている。」

かくも、スリルと感動に満ちた劇的な試合があったのか。
私は、長く記憶の底に置き忘れていた。「もう、ダメか。」と実は何度も諦めかけていた。過去の栄光に満ちた「強打の倉工」は、「諦めない倉工」の名で見事いま伝統の復活を遂げた。前向きな気持ちを持ち続け、どんなピンチにも諦めず進む事が、予想もしない劇的な結末を生むものだと、改めて知らされた。

倉工は、晴れの舞台、選抜でその事を証明して見せた。
(平成21年3月23日付。岡山日日新聞)
(時空エッセー、風に吹かれて)の中から、その一部を引用しました。

『倉敷工。井上のバントが勝因』
開幕戦を制した倉敷工に、諦めない事に加え、素晴らしい粘りを見せてもらった。取られても取り返す勝利への執念に、絶賛の拍手を送ります。
逆転サヨナラ勝ちへの隠れたヒーローは、2番の井上君です。1点を追う延長12回一死一塁に、一塁線へのプッシュバントが鮮やかに決まり、一塁内野安打になりました。

相手守備陣の位置を確認して、さらに、打球の強弱を即座に判断する事が必要な勇気がいるバントです。
井上君の(快打)が、チャンスを広げ、歓喜の勝利へ導きました。

(中略)

先手先手を取った金光大阪に食らいつき、初戦を飾った倉敷工。その精神的な自信と誇りを痛感させられた試合です。
(元、簑島高校野球部監督)
(2009年3月22日付。デイリースポーツ)
(尾藤公の、わが麗しの甲子園の中から、その一部を引用しました。)

「諦めなければ、夢はかなう。」怪我から復帰して、懸命のプレーを見せる、岡田左翼手。

「劇的勝利信じていた」劇的なサヨナラ勝ちに沸く三塁側倉工応援団。

「気持ちは負けず戦えた」甲子園で、成長の跡を刻んだ山形右翼手。

つづく
随時掲載

お願い
本文に迫力を持たせるため、敬称は略させて頂きます事をご了承下さい。

参考
朝日新聞「バーチャル高校野球」
山陽新聞「灼熱の記憶」
(注)現在、「灼熱の記憶」は、ありません。
瀬戸内海放送「夢フィールド」
(注)現在、「夢フィールド」の放送は、ありません。

協力
和泉利典(元、倉敷工業高校野球部監督)
中山隆幸(元、倉敷工業高校野球部部長監督)
岡山県立倉敷工業高等学校硬式野球部OB会
岡山県立倉敷工業高等学校おいまつ会

熱闘甲子園 今昔物語 60 栄光の足跡 48

第81回選抜高校野球大会
【概要】
2009年3月21日~4月2日(平成21年)
入場曲「キセキ」
幕試合 倉敷工11―10金光大阪
二回戦 中京大中京6―5倉敷工

【まとめ3】
『脅威の追撃あと一歩』
『序盤の失点最後まで遠く』
中京大中京 230 100 000 6
倉敷工   010 004 000 5

序盤は、完全な中京ペース。エース山崎は、二回までに4四死球を与え、早々と5点を失う。しかし、二回、8番内山の、内野強襲安打で、何とか1点を返す。山崎は尻上がりに、調子を上げて行き、相手の追加点を1点だけに抑え、味方の奮起を待った。
打線が応えたのは六回。2番井上の、内野安打。
4番三木。6番山形らの、二塁打などで、4点を返す。
2戦連続での、大逆転の予感に、沸き立つ甲子園。
が、最後は一歩及ばなかった。

『冬の猛練習超美技で息を吹き返す』
何度も何度も這い上がる倉敷工。「粘りの倉工」が、またまた出現した。五回の守り。二死一三塁。マウンドに伝令の内田が駆け寄った。「内角で、ゴロを打たせろ。」内野陣は、ハッとした。「守りで、リズムを作る、倉工野球を思い出せ。」中山監督の激に、聞こえたナイン。「オレたちが守る。」口々に言い残して守備位置に散った。打席には、中京1番山中。4球目。
山崎の投じた直球は内角へ。しかし、乾いた打球音。
土煙を上げて、センター方向へ。抜けたー、かに見えた。
すると、二塁手の三木が、横っ飛び。「バシ。」
グラブに収めた。トスを受けた、遊撃手三村がベースを踏みチェンジ。
「ウオー。」静まり返っていた、倉工一塁側アルプス席が、息を吹き返した。

昨秋の公式戦15失策。練習時間の多くを、守備に割いた冬の練習成果が、凝縮された超美技だった。

『夏に帰って来いよ』
失策は、初戦一つ。この日は二つ。
甲子園の魔物に愛された倉工ナインは、口を揃えた。
守備をもう一度鍛え直す。」
勝者よりも、敗者に大きな拍手が、語りかけていた。
「夏に帰って来いよ。」と。

2回裏。倉工2死一二塁。 内山が、一塁強襲の適時打を放つ。

6回裏。倉工1死二塁。 山崎が、左翼線適時打を放つ。

力投する、倉工エース山崎。

9回。逆転を信じて大きな声援を送る、倉工応援団。

6回裏。倉工無死一二塁。 三木の、遊撃強襲二塁打で、井上が生還。

中京大中京に惜敗し、甲子園の土を持ち帰る、倉工ナイン。

つづく
随時掲載

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本文に迫力を持たせるため、敬称は略させて頂きます事をご了承下さい。

参考
朝日新聞「バーチャル高校野球」
山陽新聞「灼熱の記憶」
(注)現在、「灼熱の記憶」は、ありません。
瀬戸内海放送「夢フィールド」
(注)現在、「夢フィールド」の放送は、ありません

協力
和泉利典(元、倉敷工業高校野球部監督)
中山隆幸(元、倉敷工業高校野球部部長監督)
岡山県立倉敷工業高等学校硬式野球部OB会
岡山県立倉敷工業高等学校おいまつ会

熱闘甲子園 今昔物語 59 栄光の足跡 47

第81回選抜高校野球大会

【概要】
2009年3月21日~4月2日(平成21年)
入場曲「キセキ」

開幕試合 倉敷工11―10金光大阪
二回戦 中京大中京6―5倉敷工

【まとめ2】
『これが粘りの倉工野球だ』
金光大阪210 120 003 001 10
倉敷工 100 301 013 002 11

43000人が見守ったゲームを支配していたのは、金光大阪だった。しかし、倉敷工ナインは、最後まで諦めていなかった。
四回裏に3点差。八回にも1点差を追いつくが、九回にも3点を奪われ、6対9に。不安に包まれる倉工アルプススタンド。だが、ここから脅威の粘りを見せる。1点を返し、なお1死一二塁。8番山形の打球が、ライト線を破る同点三塁打。山形、三塁上でガッツポーズ。
十二回裏に1点をリードされたその裏。四回に同点本塁打を打った三村が出塁し、1死満塁の好機を作る。
次の打席には、ここまで無安打の4番三木。スタンドから、「三木、打ってくれ。」と、祈りにも似た声援が飛んだ。三木は、打席に入る前、中山隆幸監督から「お前なら打てる。」と言われ不安が消え、打てる気になったという。「ここで、同点にして、日下に任せよう。」その通り、適時右前打を放って、同点に追いついた。
『甲子園のヒーローになるんだ』
『(チャンスが)来た来た』と日下。打席に入った日下。3球めを打ち返し、見事ヒーローになる。
「リズム作れた」倉敷工中山隆幸監督開幕戦という事で、私も緊張した。しぶとい守りが身上だが、ピンチでもしっかり守って、リズムを作れた。
選手たちの粘り強さに驚いた。何試合やったかわからないぐらい疲れた。

「さあ、本番」開幕試合で対戦する金光大阪と倉敷工の選手たち。

得点に盛り上がる、倉敷工の生徒

延長12回裏。倉敷工2死一三塁。日下が、右前へサヨナラ打を打つ。

延長12回裏2死一三塁。
三塁走者、三村は日下の適時打で生還。
サヨナラ打となる。

サヨナラ打を放った日下(右橋)を迎える、倉敷工ナイン。

12回裏。倉敷工2死一三塁。
日下の、右前打で、三村が生還して11対10で、サヨナラ勝ちする

逆転サヨナラ打で金光大阪を下し、校歌を歌う倉敷工ナイン。

つづく
随時掲載

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本文に迫力を持たせるため、敬称は略させて頂きます事をご了承下さい。

参考
朝日新聞「バーチャル高校野球」
山陽新聞「灼熱の記憶」
(注)現在、「灼熱の記憶」は、ありません。
瀬戸内海放送「夢フィールド」
(注)現在、「夢フィールド」の放送は、ありません。

協力
和泉利典(元、倉敷工業高校野球部監督)
中山隆幸(元、倉敷工業高校野球部部長監督)
岡山県立倉敷工業高等学校硬式野球部OB会
岡山県立倉敷工業高等学校おいまつ会

熱闘甲子園 今昔物語 58 栄光の足跡 46

第81回選抜高校野球大会

【概要】
2009年3月21日~4月2日(平成21年)
開幕試合 倉敷工11―10金光大阪
二回戦  中京大中京6―5倉敷工

【まとめ1】
選抜高校野球の話題が届き、冷え込む季節に熱い過去の記憶が湧き上がって来る。
古豪復活を狙う倉敷工が、選抜に出場するが「強打の倉工」のイメージは、もう遠い記憶になっていた。
『倉工粘り強さが身上』
『倉工試合ごとに進化』
倉敷工は、昨秋、地元の倉敷マスカット球場で開催された秋季中国大会で、37年ぶりに制覇し、「34年ぶり10回めの、選抜出場」を決める。しかし、その中国大会には、県大会4位という、出場資格ギリギリの出場だった。

中国大会で、37年ぶりに優勝して喜ぶ 倉敷工ナイン

2回戦で県大会覇者の作陽を大差で破って勢いに乗ってベスト4で鳥取城北、決勝では、南陽工を下し、見事優勝を飾る。
そして、試合終了後、ナインは監督中山隆幸と一人ずつ次々に抱き合ったのだ。そして、泣いた。
一塁側倉工大応援団も泣いた。
(今年の)倉敷工は、粘り強さが身上の実践的攻撃形のチーム。県大会から中国大会にかけ、試合ごとに「進化を続けたフレッシュなチーム」と言えよう。

『どんな事があっても、絶対諦めるな』
『死ぬ気で、やり抜け』
(この年の)昨年3月から、チームを率いるOBの中山隆幸監督。一試合一試合を「どんな事があっても諦めるな。」「死ぬ気でやり抜け」という精神面で負けない元気野球を目指し頂点に立つ。

円陣を組んで、気合いを入れる選手と中山隆幸監督。(右端)「諦めるな。死ぬ気でやり抜け」

中山隆幸監督の指示を聞く倉工ナイン

県大会4位のチームが、中国大会で優勝した記録はない。
34年ぶりの選抜甲子園。快進撃の予感がしていた。

快進撃の予感がする 倉工ナイン

つづく
随時掲載

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本文に迫力を持たせるため、敬称は略させて頂きます事をご了承下さい。

参考
朝日新聞「バーチャル高校野球」
山陽新聞「灼熱の記憶」
(注)現在、「灼熱の記憶」は、ありません。
瀬戸内海放送「夢フィールド」
(注)現在、「夢フィールド」の放送は、ありません。

協力
和泉利典(元、倉敷工業高校野球部監督)
中山隆幸(元、倉敷工業高校野球部部長監督)
岡山県立倉敷工業高等学校硬式野球部OB会
岡山県立倉敷工業高等学校おいまつ会

熱闘甲子園 今昔物語 57 栄光の足跡 45

第81回選抜高校野球大会

【概要】
2009年3月21日~4月2日(平成21年)
出場32チーム入場曲「キセキ」
優勝 清峰(長崎)、準優勝 花巻東(岩手)
体調不良の多い選手の中、「1球への集中」が目立つ。
高校生の秘めたる力を、見せつけた大会だった。
大会前半、極度の緊張と寒さの影響で、軽い脱水症状で足をつる投手が数人いた。季節の変わり目。体調管理の厳しさを、感じた大会でもあった。

【はじめに3】
34年ぶりの因縁の対決は、またも1点差。
前回は、激しい打撃戦の末、16対15で勝利。今回は中京が、6対5で倉敷工を振り切って、春夏の甲子園で、全国最多の通算122勝を挙げた。
スタンドでは、当時の選手が、感慨深げに試合を見守っていた。

中京大中京 230 100 000 6
倉 敷 工 010 004 000 5

倉敷工投手 山崎
本塁打

倉敷工は、持ち前の粘り強さを十分に発揮したが、序盤の失点が響き、あと一歩及ばなかった。
一回、2四死球などで、一死二三塁のピンチを招くと中京4番打者のレフト前打を野手が後逸し、2点を献上。二回は、失策、四球と、長短打で3点を失った。
エース山崎は、甘い変化球を痛打され、守りも浮足立っていた。後の追い上げを考えると、余計に悔やまれる失点と言えよう。しかし、六回の集中打はさすが。真骨頂のしぶとさを見せつけた。
四回までに、6点をもらった中京エース堂林(のちに、広島カープ入り)は、制球が甘くなった六回。
井上の、三塁強襲安打と四球の後、三木がショート強襲安打を放ち、井上が生還。さらに、二三塁から日下が、センター犠打。さらに、山形のセンター超え二塁打。そして、山崎のレフト前打で、1点差に迫った。この勢いで、終盤もう一押しが欲しかった。


つづく
随時掲載

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本文に迫力を持たせるため、敬称は略させて頂きます事をご了承下さい。

参考
朝日新聞「バーチャル高校野球」
山陽新聞「灼熱の記憶」
(注)現在、「灼熱の記憶」は、ありません。
瀬戸内海放送「夢フィールド」
(注)現在、「夢フィールド」の放送は、ありません。

協力
和泉利典(元、倉敷工業高校野球部監督)
中山隆幸(元、倉敷工業高校野球部部長監督)
岡山県立倉敷工業高等学校硬式野球部OB会
岡山県立倉敷工業高等学校おいまつ会

熱闘甲子園 今昔物語 56 栄光の足跡 44

第81回選抜高校野球大会

【概要】
2009年3月21日~4月2日(平成21年)
出場32チーム入場曲「キセキ」
優勝 清峰(長崎)、準優勝 花巻東(岩手)
「野球は、投手力。」を、改めて実証した大会だった。
19奪三振の興南島袋。9回を無安打に封じたPL学園中野。技巧派の利府塚本ら参考になる好投手が多かった。大会を通じ四死球206。失策66は、過去10年間で最小。ボール1個分低くなったストライクゾーンの影響により、打撃陣の低調さが目についた。
バントミスなど、全体的に攻めが淡泊。初球の明らかなボール球に手を出す事も目についた大会だった。
テンポのいい試合はいいが、積極性と混同してはいけないであろう。

【はじめに2】
「好球必打。」「(バットを)振り切れ。」「スピード重視の野球。」
ボール球には、絶対に手を出さず、「いける」「打てる」と思った球は、1球目から積極的に打っていく倉敷工が、大接戦を制した。

金光大阪210 120 003 001 10
倉敷工 100 301 013 002 11
(延長12回)
倉敷工投手 山崎→早藤
本塁打 三村

『開会式直後の、開幕試合』
『超満員の、甲子園球場』
常に追う展開だった、倉敷工が18安打で、投手陣を盛り立てながら、開幕戦を劇的に飾った。
延長12回、三村、三木らの連打で追いつくと、日下がライトへ決勝打を放った。20安打した金光大阪の攻撃も迫力あったが、守備で粘り切れず甲子園初勝利を土壇場で逃がした。参考までに、金光大阪は、安打20。二塁打7。三塁打1。本塁打1。失策3。
倉敷工は、安打18。二塁打4。三塁打1。本塁打1。失策1。
2回戦は、プロ注目堂林のいる、超名門中京大中京だった。


つづく
随時掲載

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参考
朝日新聞「バーチャル高校野球」
山陽新聞「灼熱の記憶」
(注)現在、「灼熱の記憶」はありません。
瀬戸内海放送「夢フィールド」
(注)現在、「夢フィールド」の放送はありません。

協力
和泉利典(元、倉敷工業高校野球部監督)
中山隆幸(元、倉敷工業高校野球部部長監督)
岡山県立倉敷工業高等学校硬式野球部OB会
岡山県立倉敷工業高等学校おいまつ会

熱闘甲子園 今昔物語 55 栄光の足跡 43

第81回選抜高校野球大会

【選抜への道】
西部地区予選
苦しみながらも、4戦全勝で県大会出場となる。

岡山県秋季大会
倉敷工10―0岡山共生
倉敷工5―4関西
二回を終え、0対4。意気消沈するナインに、中山監督が激。「終盤、必ずチャンスがある。絶対諦めるな。」
八回に同点とし、延長10回、5対4で勝つ。チーム全体に、一体感と自信が、芽生え始めた。

準決勝 倉敷工8―12玉野光南(延長10回)
3位決定戦 倉敷工6―9倉敷

秋季中国地区大会
倉敷工4―1宇部鴻城
倉敷工12―5作陽
作陽は、県秋季大会優勝校。倉工は、初回3失点。
その裏、2点を取り返す。この回、1番頼の一振りがベンチのムードを一変させる。頼の一撃が、倉工の勢いを、爆発させる。

準決勝 倉敷工2―1鳥取城北
粘りと思い切り。2対1と、際どく競り勝った試合は圧巻。
0対1で迎えた九回裏。一死二三塁で、エース山崎が放った打球は、ライトの頭上を越える。しかし、二塁走者のスタートが遅れ、ホームタッチアウト。二三塁に走者が残ったが、後がない土壇場。7番内山が0-1から真ん中低めのストレートをフルスイングして、ライト前へ。
1対1の同点とする。延長12回、摘出でサヨナラ勝ち。

決勝 倉敷工4―1南陽江
一回、1番打者頼が、初球安打で出塁。後続もたたみかけわずか、7球で5人を送り込んだ速攻。2点を先取して流れをつかむ。3回めの、中国地区優勝となる。

【秋の中国大会優勝】
昭和38年。決勝で、尾道商に7対6で勝ち初優勝。
(岡山県営球場)
昭和46年。決勝で、鳥取工に6対5で勝ち2回めの優勝。(宇部市野球場)
今回(平成20年)、決勝で南陽江に4対1で勝ち、3回めの優勝。(倉敷マスカット球場)

【34年ぶり10回めの春】
「伝統校としての誇りを胸に、目標の1勝を目指して高校生らしく、はつらつと戦う。」と、主将の頼宏樹。
エース山崎主記は、「甲子園のマウンドは楽しみ。
仲間を信じて、思い切り投げたい。」
中山隆幸監督は、「チャレンジャー精神でまずは、1勝。」と意気込むのだった。

つづく
随時掲載

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参考
朝日新聞「バーチャル高校野球」
山陽新聞「灼熱の記憶」
(注)現在、「灼熱の記憶」は、ありません。
瀬戸内海放送「夢フィールド」
(注)現在、「夢フィールド」の放送は、ありません。

協力
和泉利典(元、倉敷工業高校野球部監督)
中山隆幸(元、倉敷工業高校野球部部長監督)
岡山県立倉敷工業高等学校硬式野球部OB会
岡山県立倉敷工業高等学校おいまつ会

熱闘甲子園 今昔物語 54 栄光の足跡 42

第81回選抜高校野球大会

【概要】
2009年3月21日~4月2日(平成21年)
出場32チーム
入場曲「キセキ」
優勝 清峰(長崎)、準優勝 花巻東(岩手)

清峰が、3年前の決勝で大敗した雪辱を果たした。
ほぼ5試合を1失点に抑えた大会屈指の本格派、今村の力投を抜きには語れない。敗れはしたが、花巻東の左腕菊池もケレン味のない投球で対抗。「野球は、投手力」を改めて実証した。

【はじめに】
この年の前年(2008年3月)。夏の甲子園に、2度の出場に導き、合計7試合を戦った倉敷工野球部部長 中山隆幸が、監督に就任した。監督だった和泉利典は、総監督に就いた。

「待ちに待った春の便り」
「34年ぶり、10回め」
「倉敷工に、吉報」

県内最多の甲子園24勝を誇る古豪に、待ちに待った春の便りが届いた。
「吉報を報告したい。粘りの倉工野球を甲子園で見せて欲しい。」と福田憲治校長が、選抜出場決定を報告した。

昨秋まで、前評判は決して高くなかった。
「まさか、ここまで来られるとは。」とエース山崎主記。
岡山4位校として臨んだ中国大会で優勝。
準決勝の鳥取城北戦は、土壇場の九回に追いつき、延長十二回、2対1でサヨナラ勝ちした。無心の快進撃だった。
次号で、昨秋の戦績を振り返ってみたい。

つづく
随時掲載

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参考
朝日新聞「バーチャル高校野球」
山陽新聞「灼熱の記憶」
(注)現在、「灼熱の記憶」は、ありません。
瀬戸内海放送「夢フィールド」
(注)現在、「夢フィールド」の放送は、ありません。

協力
和泉利典(元、倉敷工業高校野球部監督)
中山隆幸(元、倉敷工業高校野球部部長監督)
岡山県立倉敷工業高等学校硬式野球部OB会
岡山県立倉敷工業高等学校おいまつ会

倉工創立85周年記念おいまつ会総会について

1 日時 令和6年5月12日(日)

15:00 ~ 16:00          総会(グラン・ココエ倉敷)
16:00 ~               懇親会受付
16:20 ~ 18:20          懇親会

2 総会次第             司会(高田事務局次長)

(1)開式のことば            木村副会長
(2)物故者に対して黙祷
(3)会長あいさつ            日下会長
(4)名誉会長あいさつ          横田名誉会長
(5)表彰                授与(日下会長)
(6)議事

議長選出          三好副会長

1号議案  会務報告          森事務局長
2号議案  会計報告          野瀬会計委員
3号議案  監査報告        古屋野監査委員
4号議案  役員改選           役員選考委員会
5号議案  令和6年度事業計画案  日下会長
6号議案  令和6年度予算案       岡本企画委員長
7号議案  会則変更       中山企画委員

議長解任

(7)校歌斉唱
(8)閉会のことば          生田副会長

3 懇親会            司会(森事務局長)

(1)会長挨拶            日下会長
(2)乾杯              倉敷市立工業高等学校 芦田 校長
(3)歓談・支部活動報告
(4)散会挨拶               秋岡副会長